大人っぽい旅…のつもりが
国内旅行は、
「日本語が通じすぎるから」
という訳のわからない理由であまり行かないわたしですが、いやはや、歳をとったのか、突然京都に行きたくなりました。別に、「あ、京都行こう」なんて口に出してしまったということはありませんが、6月には鎌倉へあじさいを見にいって、なかなか楽しかったので、じゃ、秋は京都?なんつってね!へへ!
そんな訳で、新宿23時発のバスに乗り込み、意識はほとんどないのにものすごい疲労感と睡魔に 襲われながら、朝6時、やっとこさ京都へ着きました。
温度も角度も快適なはずなのに、姿勢を間違ったのか、一晩中立ってた方がマシだったのではないかと思わせるほどにぐっでんぐでん…タイでも、中国でも、ここまで疲れたことないのに…。
さて、まあ、せっかくまだ人が少ない早朝に着いたのだから、早速どこかへ行こう。
さて…一応、紅葉のガイドブックというか写真集みたいなものはあるが、ここは起き抜けの動物的カンにて、行き先を決めることにする。観光客向けの市バス1日乗車券カードを購入し、「南禅寺」行きのバスがちょうど着いたので、名前がかっこいいのでそのまま乗り込む。南禅寺にはもみじとかいちょうとかはあるのかい?と相方トドマンに問いかけると、「石川五右衛門が、名言を吐いたところだ」とのこと。どうやらあたしのカンも、外れはしなかったようだ。
怖い…さて、南禅寺手前の自動販売機にて売られている化石のようなジュース達に魂を抜かれながらも、 小川というかどぶ川のきれいさに別の意味で魂を抜かれる。
海外に溢れているおかしな日本語はたくさんあるものの、日本でも田舎の方となると、まだまだ あなどれないものがあるな、と妙に感心する。
まあ、自分が知らないだけなのだろうけど…愉快なんだから、まあつっこまないでくれたまえよ。
スイートキッス
って!!どんだけ甘いんだよ!なんて思ってたら上方に、「ノンカフェイン」…
誰もカフェイン効果期待して
スイートキッス
は選ばないと思う。そして全品100円。その安さが逆に嫌だ。何を省いて、その安さなんだ。 さすがはチェリオ、他社とは全く異なる戦略で攻めてる。
絵になるその変ちくりんな自販機より、しばらく歩くと南禅寺のメインビルディングみたいなところに入れる。
散歩しにきてたらしい、白いふとっちょの犬が、飼い主が友達とのおしゃべりを楽しんでる間、じっとおとなしく待ってた。
犬っていい…。
このシロ、自分が生まれる前から長年努めてきた執事の爺かのような雰囲気をかもしだしている。
まあこの犬が「シロ」という名かどうかわからんし、実のところ、うちに執事の爺などもちろんいない。あくまでもイメージ論である。イメージ論。
自然のパレット
さて、まだちょっと早かったかもしれないけど、なかなか赤がキレイです…コメント少な!
さて、次に向かいましたのが、地味さ、人のいなそうさ、案外発見があるかもさ、で選んだ「岩戸落葉神社」です。
とりあえず乗り放題のバスにて街のはじまで行こうと市バス乗り場へ行くと、 角張ったウェーブのおかげで正三角形ヘアになっていることにまるで気づかない、 図々しいおばちゃんに割り込まれた。美容師も、パーマあてながら何も疑問を感じないのだろうか。それとも、「絶対に正三角形になるようにして!」といった、おばちゃんの気迫に自分のプライドを押し殺さざるをえなかったのだろうか。
そこで正義感の強い我々は、かんでたガムをいかにうまくババアの爆発頭にひっかけられるかという遊びに、思いっきり笑いをかみ殺しながら没頭。
トドマンの飛ばしたガムを髪の毛の中にふくみながら、おばちゃんが相変わらずわれ先にとバスに乗り込んだので、それにつづいて乗る。途中、金閣寺前でバスを降り、地元の人々が集うちいさな喫茶店にて休憩。京都は昔からやってそうな雰囲気のいい喫茶店がけっこー多い。
そして、世界遺産らしい
金閣寺は完全シカト
で、バスを乗り換える。こんどは話好きそうな親切なおばちゃんの助言により、目指す北方への乗り換え方をラーニング!旅先の親切はほんとに身にしみる。
紅葉目当ての客が、観光名所らしい途中の峠で降りていったが、我々の目的地はまだ先。バスもしばらく来ないので、タクシーに声をかけた。
「んあ?岩戸落葉神社…知らないねえ…
とりあえずあっちの方かね?
」
何とも頼りないお言葉だけども、とりあえずあっちの方に向かうとする。
人はよいが異様に声のでかい運転手が、会社に電話して神社の場所を聞く。
わからない。
車を止めて、お店の人に聞く。
わからない。
ほんとにそんな神社あるのかよ!と誰もが思い始めたその時、フラ~っと現れた通りすがりのおじさんから、すぐ先だという情報をゲット!
おわかりかと思うが、この時点で、「失敗だったのか?」という
不安感がぬぐいきれなかったが、「湿地の中に村が?」みたいな、
ドラクエ的な達成感もあった。
やっと着いたと思ったら、大粒の雨が降ってきた。声は異様にでかいけど人のよい運転手さんが、ビニ傘をくれた。
昼寝とか余裕ほんとうに、誰もいませんでした。誰も。 ほこらみたいなものが2つ3つあり、柱と屋根だけのあずまやが1つ。そしてまだ落葉も落ちきってなくてスカスカで、攻略本…じゃなくてガイドブックの写真のような黄色いじゅうたん、というわけにはいかず…スカスカ…。しかし、こう外に出てながめてみると、この神社におおいかぶさるようにイチョウが生えてる。このコントラストと人のいなさに、まあ、レアだよな、とナットク。
少し不安…バスも40分こないので、わかるかわからないかくらいに親指立てて車道に向けながら、こんな道をとりあえず引き返す。多分もよりのコンビニまでは車で10分はかかるだろう。なるほど、だからタクシーの運転手さんは、「待ってなくていいの?」と聞いたのか。
まわりはスギの木ばかりで店どころか家もまばら。2月3月頃には、花粉症の住民には生き地獄となることであろう。恐るべし、植林計画。
さすが日本、帰れるのか不安だったけど、こんな田舎でも定刻通りにバスはやってきて、約1時間かかってギンギンの都会に戻ることができた。 何せ午前6時くらいから行動しているので、往復2時間かかってもまだ昼すぎ…。さてはて、眠さこらえて、午後はどこへ行こうか…?