ガイドもはしゃぐ、幻のコーケー遺跡巡り
コーケー遺跡。
なんて馬鹿みたいな響きなんだろう?しかし、アンコール遺跡から離れた場所にあるのでこの遺跡はまだ訪れる人も少なく、穴場も穴場、穴場もいいところである(3回言った!)。穴場(4回目!)だけに、
バイクで炎天下、片道4時間
かかるという。だがもうおいらも3回目だし、そろそろ新しいところに行きたいですよ、と、短期旅行にも関わらず、チャレンジすることとしたのだ。
アンコールワットはもちろん素晴らしいのだが、なんせ素晴らしいだけに観光客は増える一方。
陸路移動も楽になってきたし、いやいやそれ以前に空港があるんですから、ちょろっと軽い気持ちで世界遺産とやらを拝みにきて、想像以上の暑さでちょっといやんなっちゃって、荘厳なたたずまいの遺跡もどうでもよくなって、しまいには遺跡を出て開口一番、
「あっついわねーー、早く帰ってお風呂入りたいわよねーー」
とのたまうようなおばはんも、普通に来れちゃうのである。 一生のお願いだから、ただちに帰国して、思う存分風呂につかって、二度と海外に行こうなんて気をおこさないでくれ 。
コーケーへの流れ
無事シェムリアップの街についたわれわれは、街からだいぶ離れたゲストハウスへ連れて行かれた。探すのめんどくさいし、1人1泊5ドルで妥当なレベルだったので、そのまま投宿。で、我々の担当バイタク運転手と交渉をはじめる。
「選択は、できるけど、自然乾燥…(日本語)」
とめちゃめちゃ日本語がペラペラですごい人だが、なにかと、爆笑したくなるくらいにいつもツイてない下っ端
(名前を忘れた)
「no money no honey」
という大変ごもっともなTシャツを着るちょっと若いおっさん
(のちにこのゲストハウスのマネージャと判明 )
政治の話からアッチのお話まで、とにかくしゃべりまくるおっさん
(あだ名マメ、本名アペイと呼ぶといやがる)
この3人がわれわれをコーケーまで連れて行ってくれる。コーケーとぶっ壊れまくり遺跡代表格のベンメリア、アンコール遺跡周辺をまわってくれたり、街まで送り迎えしてくれたりするので値切って値切って55ドルということになった、と思う(うろ覚え)。バイクじゃなくて車はないのかと聞いたら、「いや〜車は…」と何となくうやむやにされた。無理なのか。無理ならしょうがない。
大変陽気な3人で、夜な夜なゲストハウスの入り口でカードに興じている(※図1)。下っ端は、どうにもツキがないため、見るたびまけている。
「今日もまけたの?(日本語)」と聞くと、蚊みたいな声で
「やるたび、いつも、まけてる…(日本語)」
我々は、腹を抱えて爆笑しながらも「やめたらいいんじゃない?」といちばん的確だが、それ言っちゃおしまいな感じのアドバイスを送った。
しかし、コーケーまで連れて行ってくれるというが、3人とも行ったことがないらしい…。まあなんとかなるだろう。
まあまあおいしいゲストハウスのめしを食べ、カンボジアのテレビをみてのんびり。はやってそうな歌手が出てたので、下っ端に「ちょっと歌ってみてよ」と歌わせておいて、我々はすぐに彼のことを
完全に忘れて
談笑。しばらくして気づけば彼はまだ蚊みたいな声で歌っていた。
悪気はない。ただ忘れただけだ。
さて翌朝、遠いので早々と出発。
もちろんノッペルだが、なぜか突然、布のマスクを買い与えられた。理由はすぐに判明…砂埃がすごすぎるのであった。つけていない場合は、土葬されてたミイラみたいになります(※図2)。
出発して数時間たったとき、何組かの同じようにバイタクでコーケー方面へ向かう(日本人の)男子とすれ違ったが、みんなフルフェイスのメットをかぶっていた。いつもそんなもの渡されないので、ないのが当たり前と思ってたが、かぶってないのは我々女子3人だけだった…。そのことを指摘するも、もちろんうやむやに流され、埃舞う道を行きつづける。
悪路のなか、後ろにまたがっている不安定な状態でも、人って睡魔にまけることがあるんだね。なんどもうとうとして、ガタンと揺れるたびにハッと起きて、チャーターした車で悠々と我々を追い抜かす(日本人の)男子にイライラ。車でも行けんじゃん!自分のバイクでコーケーまで向かう途中の(日本人の)男性と挨拶し、何度も、「もう帰ろう」と言う運転手たちをねじ伏せ、とにかく、ひたすら数時間、悪路と埃に耐えて、やがて…。
テーブルと椅子とちっちゃい売店のある休憩所がみえてきて、バイクを降り、女の子に迎えられる。つ、着いた!!やっと着いた!!パーチャック!!
なぜかここではふくろうを飼っていて(※図3)、珍しいのでみんなでナデナデするがとてもおとなしい。しかし、下っ端がナデナデするととたんにイラつきはじめ、おもいっきり指を咬んだ。
「あいてててて…!(日本語)」
蚊みたいな声で痛がる彼をさておいて、早速まぼろしの遺跡、コーケーを拝みにいこうじゃないか!
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