カンチャナブリーへ
この旅一番の恐怖!!
この旅行の元々の目的、象さんに乗ろうツア-に出かけました。 ツアーとは申しましても、ただ象さんに乗る為にカンチャナブリーへ自分で出かける、ただそれだけのことなんですがね。
行く前日に列車の切符は買ったほうがいいかなと思って、バンコク・ノーイ駅へ。
その時に乗ったトゥクトゥクのラオス人青年は、チズルちゃんだか何だかとつきあっているらしく、「キミノユメヲミテイルヨ」等、怪しい日本語を操る。最近のバンコクの若者は、アイーンなんてお手のものだったりするのですが、お笑いとは世界をつなぐもんですねえ。誰が教えるんでしょう。で、肝心の切符はどうだったかというと、駅はもう暗くなっており、子供を前後にぶら下げたおばちゃんが出てきた。家族で切り盛り?そのチズルちゃんの彼氏が応対してくれたのですが、切符は明日買えと。ムダ足。
楽しいひとときのお礼に、あたしも「日本語会話 とっさのひとこと」として1つチズルちゃんの彼氏に教えてあげた。当時、プロバイダーかなんかのCMでインド人が、いいツボ押さえたイントネーションでつぶやいていた、「まじですか」。別に流行ってもなかったけど、個人的に気に入っていたので。彼は、真剣にメモを取った。タイの人はインド人があまり好きではないらしいけど、まさか元ネタがインド人とはバレるまい。
翌日朝早く、またトゥクトゥクで駅に向かおうとすると、この時間は渋滞に巻き込まれるから川は船で渡った方が早い、たったの2バーツだ、と皆口を揃えて言うので船着き場まで送ってもらいました。
そこで運転手が、船に乗ろうとしていたおばちゃんの1人に「駅に連れていってやってくれ」みたいな事を告げてくれたらしく、その蛍光ピンクのシャツのおばちゃんは親切丁寧にあたしの手を引き、駅に連れて行ってくれた。少し目が恐い。
「ここがカンチャナブリー行きのホームだよ」と身ぶりで教えてくれ、はい、どうもありがとうございました。・・・・まだついてくるぞ、お金とかあげるべき?それって失礼?でもついてくるし、どうしたもんでしょう。
とりあえずそこのベンチにでも座るか。あたしのことをいたく気に入ってくれているおばちゃんは、何とあたしの隣に座っていたタイ人の女の子の上にどっかりと腰を下ろした!お、おばちゃん?しかも2回、3回とひとり大笑いしながらしつこく座る!いいかげん女の子もキレだした。これはギャグじゃないのか!だんだん恐くなってきた。しかし親切に案内してもらった手前、邪険に扱うわけにもいかず、かつ逃げ場もない。イナコもむっくんも、こりゃ様子がおかしいと気付き、3人で「早く電車来い、早く電車来い」と変な汗たらしながら祈りました。横ではおばちゃんがまだゲラゲラ笑ってる・・・。
来た!早く乗り込もう。おばちゃんも手をふっている、これで安泰だ。それではさよなら、ありがとう・・・あれあれあれ、おばちゃんもついて来るよ!!!
むっくんより早く、あたしの横の席をゲットし、腕をぶんぶん、ゲラゲラ大笑いしながら他の乗客の注目を集めている・・・。誰か助けて、誰か引きずり下ろして・・・。
少しすると彼女は自分から電車を下りた。よかったーー!!マジ恐いよね、一緒に旅しなきゃいけないのかと思って超困ったよねー!シャレにならなかったよねえー!3人でほっと胸をなでおろしたその時!
「ワッ!!!」「うわーー!!」
おばちゃんが乗り込まんばかりに窓から手を突っ込んできたのです!!恐いよ-ー!!!
何かわめいている。何・・・?タバコくれ・・・??あげます、それで解放してくれるのなら何本でもあげます。何だって?40バーツくれ?何でだよ・・・でも案内してくれたのは確かだし、もうこんな恐い思いしたくない。あげます。電車賃より高いけど、あげます。
お金を渡すと、満面の笑みを浮かべ、大きく大きくそれはやりすぎだよでもまだ大きく手を振り、ようやく見えないところに去っていった。
マジで恐かった、何だったんだろう彼女は、でもボラれた、悔しいというよりも40バーツですんで本当によかった。もし渋ったら、本気でカンチャナブリーまでついて来てた彼女絶対。40バーツなんて安いもんだ・・・。
このおばちゃんには要注意・・・。
カンチャナブリーで小旅行
バンコクから硬ーい椅子の列車で約3時間、カンチャナブリ-は何の変哲もない田舎町でした。
駅は典型的な田舎駅で、閑散としたホームには何もありません。
改札を出るとすぐに、人力車のおっさんが話し掛けてきました。ゲストハウスも何も決めていなかったけれど、変なところに連れて行かれるのも イヤだし自分達で決めたかったので、ひとまず駅前の食堂に入ることにしました。
観光客は多いところだと思うのですがここのおばちゃんは全く英語ができないようで、身ぶり手ぶりでいつものセーン・レック(米麺)を注文。 パクチー抜き。それとミネラルウォーターを頼んで3人で75バーツ。
はっと気付くと、あの人力車のおっさんも少し離れたテーブルにどっかりと座り込み、こちらをニコニコ(ニヤニヤ?) しながら見つめています。しかも何も頼まずに。
ええ、確かに交通手段がわからない。彼に頼れば簡単にコトがすむかもしれない。しかし何だか負けたくない・・・。
やたらしょっぱいセーン・レックを食い終わり、おっさんを気にかけながらガイドブックでゲストハウスを探し、満場一致で SAM'S HOUSEに決定。さて、何で行く・・・?
「おっさん、ここのゲストハウス連れてっておくれ。」←折れた
にこにこしながらおっさんが出したのは、SAM'S HOUSEのホテルカード!何だ、初めから言えよ。ははは。
友達らしき同業者をおっさんが連れてきて、2台に分乗しゲストハウスに向かいます。
大きな道路を渡り、地元の人向け商店がちらほらある道をしばし行くと着きました、SAM'S HOUSE。
緑が生い茂った中庭のある、なかなかステキな外観。
部屋も見て、誰からも文句が出なかったので即決。
例のおっさん(右図)が、ガイドはどうだと勧めてきたけど、自分達で自転車を借りてまわる予定だったので丁重にお断りした。
すると態度は一転、ドカドカと荷物をずさんにおろし、3人で20Bのところを1人20Bの約束だと言い出した。
ムカっときたものの、人力車ってどうも値切れないんですよねえ。ぽんと出しました、60Bくらいさ!
部屋に荷物を置き、レンタサイクルを探しに出かけました。
10分くらい歩き、きれいなお姉ちゃん(ちゃんと、お姉ちゃん、だと思う・・・)のやってる店でマウンテンバイクを借り、久しぶりのチャリをさっそうと?乗りこなし、クウェ-鉄橋へと向かいました。
閑散とした道路をしばらくチャリで走ると、だんだん賑やかになってきた。橋はもう近いようです。
お土産屋さんにレストラン、どこにでもある観光地。
チャリを鉄橋のそばに停め、徒歩で鉄橋を渡ります。この時の気分はやっぱり、スタンド・バイ・ミー、でしょうなあ。
そしてこの橋を渡り切ったらそこには・・・・!!
あれ・・・いない・・・・。ここにいるはずの象さんがいない・・・。
象に乗る時に使うであろう台はあるけれど、肝心の象さんがいないではないか!!!
あたしの今回のタイ旅行の目的は、「タイで象に乗る!」で、ガイドブックに書いてあったもんだからカンチャナブリーに来たのに!
何の為にここまで来たの!!!
・・・泣こうが喚こうが象さんはいない。
半ベかきかき、来た道を戻ったのでした・・・。
ぐったりしたせいか腹も減り(さっき食ったばっかじゃん!)、川岸の南国ベタベタムード満点のレストランに入りました。 ここは、味には何の重きをおいていない、香港の水上レストラン、ジャンボがかぶる・・・。
「ひき肉がちょろちょろ入った薄っぺらな卵焼き」が一番おいしいって、どういうことですか?
金を返さんかい!!
何だか散々…まあ、ありがちな間違いってことで、まだ凹みはせん。
宿にいた、若いガイドらしき女の子に「エラワン・ツアーに行かないか」と誘われた。
エラワンとは何かもよくわからず、「きっとエレファントに違いない!象がいるに違いない!」と大きな勘違いをし、莫大な金(1人300バーツくらい)を払いエラワンの滝を見に行った。
モチのロンで象さんはどこにもいなかった・・・。
蜂に追われ、崖に落ちそうになり、大根のようなフルーツを(イナコだけが)むさぼり、 ストライプの毛虫に泣きわめいた壮絶なエラワンツアーは、写真でお楽しみ下さい。
確かに、きれいでした!
300バーツも払って、にこやかな運転手には、山のふもとでほっぽり出され、なんかカンで適当に上まで登ったら、こんなに青い滝壺に出た。
意味もわからず来た割には、想像以上にうつくしーい景色に感激です。
中国の 「九寨溝・ライトバージョン」みたいな、イメージです。